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アヴェスターにはこう書いている?
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植草一秀事件を検証する会 編著 『植草事件の真実 ひとりの人生を抹殺しようとするこれだけの力』

昨年十一月までの一年間のレポートは『ウエクサ・レポート――2006年を規定するファクター』(市井文学)として単行本化されている。
 ここでも感じるのは、植草氏の国民経済への篤い愛情である。同号が出たころ、ライブドアによるニッポン放送株買収が世間の注目を浴びていた。この騒ぎで外国株対価による合併(いわゆる三角合併)を認める会社法の施行が一年延期された。日米の株価は1990年を1:1とすると、このとき1:15.「この局面で三角合併を認めれば、日本の無条件降伏と同義と言っても差し支えないだろう」とつづっている。(p.75)



この点、植草氏の見解に同意する。

ちなみに、私も本書を読む前から植草事件は冤罪だろうと推測している。




 植草氏の最新の本は2005年12月に出された『ウエクサ・レポート――2006年を規定するファクター』(市井文学)である。事件後ネット書店・アマゾンでは、在庫なしの状態が起訴まで続いた。定価1890円の本が、中古市場では5000円の値がつけられる。しかし、出版社には在庫が山積みされていた。同様のことは、関岡英之著『拒否できない日本』(文春新書)でも起きている。「年次改革要望書」の存在を指摘した同書の在庫なしの状態は、郵政民営化法案が国会を通過した直後、解消された。(p.81)



アマゾンは確かに便利だが、「グーグル八分」と同じことがここでも言える。一つの情報源に頼ることは危険である。




 内閣総理大臣が権限をフル活用すると三権の頂点に君臨する存在になる議院内閣制は絶対権力を創出する「ポテンシャリティー」を持つ仕組みなんですね。これまでの日本では、「自己抑制」がどこかで働いて、自民党の総裁であっても、タテマエ上、人事権をフル活用することは不可能でないのですが、それを行使した人はいなかった。派閥均衡というのは権力者の権力行使における「自己抑制」なんですね。内閣総理大臣は司法の問題について介入しようと思えば介入できるわけです。人事権を通じて。日銀もそうです。
 戦後の日本では政治権力者の「自己抑制」によって「三権分立」のタテマエが曲がりなりにも成立してきたと思います。小泉首相はこの不文律を根こそぎ破壊した最初の人間ではないか。内閣総理大臣が「自己抑制」を捨て去れば三権の頂点に君臨することは不可能ではない。「権力を持つ者が活用できる権利を100%フルに活用するのは当然である」と考える発想法は、「市場原理主義」そのものと言えるのではないでしょうか。(p.109-110)



これも植草氏の発言だが、全く同感である。安倍晋三は「権力の頂点にいる」と言ったが、彼のような凡庸なあるいはそれ以下の人間が、このような自覚を持てるのも、ある意味では小泉が「自己抑制」を破壊したことによって地ならしがなされていたこともあるかもしれない。

ただ、私の見解では植草氏が「自己抑制」と述べているのは、「首相たる人間自身の自己抑制」ではなく、「首相が抑制しなければならない状況があった」ということだと考える。小選挙区制と省庁再編(内閣府の創設)がその背景をなす大きな要因ではなかろうか、と考える。その上で「官邸主導」と言えばそれだけで善であるかのようなイデオロギーを蔓延させることに成功したことも重要である。




郵政資金と言われる膨大な簡保資金、そして郵貯資金は、ただの流動性を持つ「お金」ではない。郵貯資金は、敗戦の焦土から立ち直ってインフラをはじめる時の資金でもあり、大災害時に復興する時の資金にも流用されるかけがえのない国家の財産である。また、国家が経済的に窮地に陥るとIMFの世話になることになる。しかしIMFはアメリカの完全傀儡金融組織である。けっして安全な国際金融機関ではないのだ。ここから一旦、国家が金を借りれば、アメリカや外資の経済奴隷国家となる。日本は郵政資金があるから、いざと言うときに郵政資金を使うことによって外資の干渉から防御できるわけである。
 国営の郵政事業は、商売という側面よりも、国家の安定装置としての役目がより重要な性格である。それをこともあろうに拙速に民営化に持っていく愚を、国民のいったい何割が自覚しているのだろうか。小泉氏や竹中氏が行った郵政民営化とは国家を丸裸にして完全に無防備化してしまったことになる。(p.111-112)



郵政民営化に賛成したニポン人って、ほんとにバカだよな…。

もう少し日本の経済力が衰退してきたら(より正確に言えば、世界経済に占める相対的な力関係が劣位になってきたら)、このセーフティネットがなくなったことが強烈に効いてくるだろう。しかし、そのときはまさに「後の祭り」である。

その頃には、小泉を含めた政治家たちはすでにくたばって他界しているか、または片足を棺桶に突っ込んでいる頃だろうし、竹中などは、住民税脱税まがいの行為のときと同様に、外国に移住していてもおかしくない。全く無責任にも程がある。

ニュージーランドも民営化をやめて国営に戻したというし、どこかである程度痛い目を見たら反省が働くかもしれない。大きなダメージを受けないで反省できればいいのだが、最近の安倍政権の言動を見ていると、当面は期待できそうにない。とりあえず、首相や与党を変えることが――それだけでは不十分だろうが――第一歩なのかもしれない。私としては、現在の選挙制度(小選挙区制)が最大の問題だと考えるが…。
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テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

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