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アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
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「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。日々読んでいる本から気になった箇所をピックアップして自由にコメントするブログ。

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志田政人 『小樽芸術村 ステンドグラス美術館(旧高橋倉庫)ガイドブック』

 当館に展示されている作品の中にも、戦地に赴く兵士の無事を祈るものや、大戦の戦勝記念として作られた作品があります。(p.4)


この美術館の作品をサラッと見ると、どうしても戦勝記念のタイプが目立ってしまうように思われる。実際に、このように解釈できる作品は多いと思うし、龍を退治する聖ゲオルギウスなどは非常にわかりやすいモチーフであり、こうした意味も汲み取りやすい。これに対し、戦地に赴く兵士の無事を祈る作品が、そうした意味を持つということは、一目で見ただけではなかなかわかりにくい。

この美術館では、説明文やオーディオガイドなどもなかなか充実しているので、しっかりこれらを読みながら見て回ると、見て取ることができるようにはなっているため、それぞれの作品にいろいろな思いが込められているということが理解できるようになっている。しかし、あれだけの作品と図像の情報量もかなりのものがあるため、あまりステンドグラスやキリスト教に関係する物語などになじみがない場合、そこまでしっかり理解するのはやや難しいかも知れない、という気もする。

その意味では、事後的にではあってもこうしたガイドブックで解説してあるのは良いと思われた。



指昭博 特別寄稿「ヴィクトリア時代の教会とステンドグラス」より

 ただ、イギリスの国教会はプロテスタントですから、描かれる主題は自ずと中世カトリック教会とは違いました。聖人崇敬につながるような主題は避けられ、聖書の物語に取材した作品が多く、聖人が描かれる場合も、国教会にゆかりの深い聖職者や、イングランドの守護聖人である聖ジョージやスコットランドの守護聖人である聖アンドリュースなど、国を意識したものが多いのです。(p.5)


なるほど。確かにこの美術館に所蔵されている作品でも、随所にイングランドやスコットランドなど、イギリスを構成する土地の守護聖人が登場していた。こうしたガラス工芸の隆盛のきっかけとなったゴシックリバイバルという運動自体が、ネイションとしてのアイデンティティを探そうとするナショナリズムの一環でもあったことを考えると、こうしたガラス工芸作品も当時のものの考え方がかなり反映していると見ることはできそうである。


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