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アヴェスターにはこう書いている?
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鈴木幸壽・山本鎮雄・茨木竹二 編 『歴史社会学とマックス・ヴェーバー――歴史社会学の歴史と現在――(下)』
雀部幸隆 「ヴェーバーの政治思想研究の意義と課題」より

 こうした発言から窺えるヴェーバーの政治への基礎視点は、①国民的観点=国益第一の視点であり、②国家の統治可能性の重視であり、③歴史的地政学的諸条件の冷静な考量である(雀部1999年、185頁以下、雀部2001年、20頁以下)。
 かれは、その観点から、あくまでもドイツの世襲君主制の維持にこだわった(以下について詳しくは、雀部1999年、91頁以下、雀部2001年、23頁以下を参照)。そのこだわりがまた、あたかも「共和制」をもって人間理性の自然にかなった――だからまた自然法的に与えられた――合理的な国制と考える傾きのある戦後のわれわれのつまづきの石となる。もちろんヴェーバーは、ドイツの第一次大戦敗北後、ヴィルヘルム二世の国外逃亡によって帝制の崩壊が不可逆な事実となるにおよんで、共和政体を基礎にドイツ国家の再建策を追求することとなる。「国民投票的大統領制と代表制的議会制とが併存する=代議制的統治」というのが、その回答である(WuG, 5. Aufl., S.173. 『支配の諸類型』、196頁)。しかし、ヴェーバーの「君主制」へのこだわりに釈然としないわれわれは、その場合にも、結局ヴェーバーはワイマール共和国大統領にたいして「代替皇帝」としての役割を期待したのではないか、その意味においてかれの君主主義的原思考は形を変えて生きながらえているのではないか、との疑念を払拭することができないでいる。(p.131-132)


まず、ウェーバーの政治への基礎視点として3点がまとめられているが、この整理は概ね妥当と思われる。国益第一といったとき、誰のどのような利益なのか、ということを明確にする必要がある。ウェーバーの場合、基本的には②の観点とも関係して、為政者の立場にとって好都合なものを重視していることととなる(国民一人一人の福利や権利を守ることが第一義的なものとはなっていない点に注意!)。

国民投票的大統領制と代表制的議会制の併存というアイディアも、雀部と異なり、素直に「君主主義的原思考は形を変えて生きながらえている」と解釈するのが適当ではなかろうか。ウェーバー研究者はウェーバーを批判から守ろうとするあまり、不当な解釈をすることがあるが、ここもその一つではないか。



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