FC2ブログ
アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
プロフィール

ツァラトゥストラ

Author:ツァラトゥストラ
「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。日々読んでいる本から気になった箇所をピックアップして自由にコメントするブログ。

FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

音真司 『Fランク化する大学』

大学に簡単に入ることのできる時代だからこそ、入る大学を簡単に決めてほしくない。(p.7)


最初このフレーズに接した時は意外に感じたが、大量の質の低い大学があるという前提に立つと、この言葉の意味は理解しやすい。



「Fランク化」する大学をこれ以上増やさないためには、市場の原理にかけて、増えすぎた大学の中でも、質の低い大学や、小手先の手段を使った受験生集めに走る大学を淘汰するしかない。(p.8)


本書の現状認識には多くの点で共感できるところもあるが、この考え方には賛同できない。大学を純粋な市場原理によって淘汰できるとは思えないからである。ハーシュマンの用語を使って言えば、本書のここでの主張はExitの戦略でしかなく、大学を改善する指向は全くないといってよい。しかも、市場原理が機能するためには完全情報が前提となるが、大学選びという市場は極めて不透明性が高く、完全情報とは程遠い。こうした点をはじめとして、教科書通りに市場原理が機能する前提がない。

本書はこのために大学で起きていることやその原因を知り、大学を見る目を養うことによって質の低い大学を市場から淘汰すべきと考えているようだが、こうした事実を知ることは、これから大学を選ぼうとする人にとって、いわばミクロレベルでの選択には役立つが、マクロな社会全体に対しては成立しない。ここで求められていることを実行するには極めて強い個人を想定しなければ成立しえないため、大部分の人がそれを実行できると想定することは現実的ではない。

むしろ、個人レベルでより適切な対応策は大学を良いものとするためのVoiceを上げていくことである。大学の質の低下を食い止めるということを本当に考えるのであれば、制度を考えに入れなければならないだろう。



 少々、話がそれるが、読者の方々は「学生生活の様子」といったタイトルの報告書をご存じだろうか。
 近年多くの大学で、学生の学校での様子を保護者に報告するようになっている。(p.50)


幼稚園や小学校のようだな。



「ほとんどの学生が現役で大学に入るということは良いことだ」と言いたいのではない。
むしろ、その逆である。受験生の多くが第1志望以外の大学へ進学するということだからだ。……(中略)……。 ……(中略)……。
 不本意な大学に入学すると、多くの学生は、理想と現実とのギャップに苦しめられることになる。(p.63)


このことが大学生活の満足度を下げる方向に作用する。この点は本書のおかげで気づくことができた。

不本意な大学に入学すると苦しめられるというのは、私自身の経験から見ても納得できる。

スポンサーサイト




この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://zarathustra.blog55.fc2.com/tb.php/1317-40fda337
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)