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アヴェスターにはこう書いている?
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「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。日々読んでいる本から気になった箇所をピックアップして自由にコメントするブログ。

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大野哲也 『旅を生きる人びと バックパッカーの人類学』(その2)

旅する地域には旅の難易度があると考えられていて、難易度の高い地域を旅することで、旅人はステイタスや自尊心を高めていく
 地域別の難易度ランキングや困難性の分析は、現在、日本人バックパッカーが、情報収集のために急速にその依存度を高めているインターネット内でもさかんにおこなわれている。表現に差異はあるが、そこではおおよそ、簡単な東南アジアから最難関のアフリカに至るグラデーションで構成されている。そしてまた、実際に旅をしている日本人バックパッカーも似たような地域観を共有している。
 旅のステイタスはそれだけではない。旅の年数、何カ国旅をしたか、旅でどのような「珍奇」な経験をしたかなど、旅にまつわるあらゆる要素が、旅人のステイタスを測るモノサシへと変換される。これらの要素を、ゲストハウスなどで出会ったバックパッカーと、なにげない会話をとおして互いに提示しあうことで、暗黙のうちにみずからの位階序列を確定させていくのである。バックパッカー・コミュニティで、ゆるやかで流動的なヒエラルキーが形成されていくのだ。
 ……(中略)……。
 カーターによれば、旅人の出身地域と旅する地域の文化的な距離によって旅の難易度が判断される、つまり、日本人にとっては、アフリカや南米などよりも、東南アジアのほうが文化的な距離が近いので、日本人バックパッカー・コミュニティでは東南アジアの旅の難易度は低いと評価されるのである。(p.118-120)


旅する地域には難易度があるという見方は、確かにあり、暗黙裡にある程度共有された見方となっているように思われる。

そのため、カーターの説には説得力があるが、私見では経済的な水準の近さも大きな要因であるように思われる(経済力の水準は、水道や交通機関などのインフラ整備の状況などにも影響し、インフラ整備の状況は人々の個々の振舞にも影響するので、経済水準の差異と文化的距離の大きさとは相互に影響し合う要素であるとは思われるが)。ある程度経済的に豊かな地域や旅人が住んでいる地域と同じ程度の経済水準の地域に旅をするのは相対的に容易であり、旅人が住んでいる地域よりも経済的に貧しい地域に行く方が何かと不便であるため難易度は高いと言えるのではないか。

ただ、これは「地域観」というだけでなく、「当該旅人にとっての難易度」をある程度は反映しているのではないか。少なくとも私自身の実感としてはそのように感じている。


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