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アヴェスターにはこう書いている?
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半田滋 『「北朝鮮の脅威」のカラクリ 変質する日本の安保政策』

 日本上空を通過するミサイルに落下の危険があるというなら、その危険性はどの国のミサイルであれ、ロケットであれ、質的に変わるはずはない。そう考えるのが常識であろう。ところが、日本政府にその常識は通用しないのだ。
 韓国政府は2013年1月30日に三回目となる人工衛星「羅老(ナロ)3号ロケット」を打ち上げると発表した。前年12月に発射された「光明星3号」と称する北朝鮮の弾道ミサイルに近い軌道を通り、沖縄の南西諸島上空を通過することになるが(図4)、小野寺五典防衛相は打ち上げ失敗という不測の事態に備えて地対空迎撃ミサイルPAC3を南西諸島に配備することをしなかった。PAC3を配備した北朝鮮の場合とどこが違ったのだろうか。(p.35)


日本政府が「北朝鮮の脅威」を過剰に煽ることで(「防衛力」というよりも)「軍事力」を持つために利用していることは明白だろう。

このような指摘が公的にされた場合、政府は「そのような意図はない」などと否定しようとした上で、政府は指摘した側に立証責任を押し付けようとするだろう(安倍政権のような姑息な手段を用いることが常套化している政権においてはほぼ確実に起こると予想している)。しかし、ある意図があると仮定した場合に採用すると想定される行為と実際に観察された行為とが一致しているような場合、そのような意図がないことを立証・説明する責任は行為者の側にある(政府ならば通常の人より以上に説明する責任がある)。その場合、単に「そのような意図はない」などと言い張るだけでは当然不足であり、そのような意図とは整合性がとれない(相反するような)行為を体系的に行っていることを立証しなければならない。さらに、仮に意図がなかったとしても、多くの行為がその意図に沿ったものとなっていることが指摘されている以上、そのように行為した(あるいは、せざるを得なかった)理由等について説明する必要がある。

ちなみに、法人(集団・組織)の場合には、その指導者本人にそのような意図がなかったとしても、誰一人としてそのような意図に基づいて行動していないということにはならない、という点にも留意が必要であるため、個人よりも法人(集団・組織)の方が、行為と意図との外的整合性から判断することの妥当性は高いと考える。



 だが、北朝鮮が目標とするのは米国に戦争を仕掛けることではない。核弾頭を搭載できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)を保有することにより、米国から先制攻撃を受けることのない抑止力を持ち、北朝鮮の現体制を維持するという保障を取り付けて平和協定を締結することにあるのは明らかだろう。(p.42)


ここで本書で述べられているような考え方が北朝鮮の基本的なスタンスであると思われる。(日本における北朝鮮に関する報道は過度に「悪魔化」されている。北朝鮮は容易に信用できないのは確かだが、掛け値なしの悪であるかのようなラベリングや記号化は行き過ぎている。)

本書は2018年3月に出ているが、4月27日に南北首脳会談があり、朝鮮戦争の終結や朝鮮半島の非核化を目指すことなどについて合意がなされたと報道されたことと、ここでの指摘は適合的だと思われる。北朝鮮はかなりの程度、ここで述べられているような抑止力を手にしつつある現状やトランプ大統領が在韓米軍の削減などをしたがっていることなどを考えると、北朝鮮がフェイズを変える機会だと考えているとしても不思議はない

上記引用文では「北朝鮮の現体制」を維持することが大きな目的であることになるが、半島の統一と現体制の維持は必ずしも一致しない(むしろ相性が悪い?)ため、このあたりが今後どのように処理されていくのかに注目したい。

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