アヴェスターにはこう書いている?
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坂井豊喜 『多数決を疑う 社会的選択理論とは何か』(その2)

ここで民主制の実質と形式を区別する必要がある。それを怠ると、実質的には民主的でないものが形式を満たすがゆえに民主的とみなされてしまう、錯視が生じやすいからだ。(p.143)


実質的に民主的であるということを規定しようとするとかなり難しい面があると思うが、形式的に民主的な論理で説明がされたとしても、必ずしも実質的な民主性は担保されないという事実を意識させる意味でこの区別は重要と思われる。

例えば、パブリックコメントや公聴会などは民主的な決定手順を踏んだと政府が主張するための儀式となっているが、そのような形式的な手続きを踏んだかどうかだけで判断すべきではないのは、民主制を是とする限り本来当然のことであろう。さらに言えば、小選挙区制の導入によって投票者の意見と代議士の意見とが大きく食い違うことに加え、投票数と議席数も大きく食い違うようになっており、更に個別の代議士の意見など全く無に帰すような党議拘束がある中での議会が決定を行うということ自体、民主的な制度によって決定すべきだというアイディアからすれば全くかけ離れたものであるということも銘記しておきたい。

安倍政権のように選挙で選ばれたことを民意として都合よく解釈しつつ、意思決定のためのルールを恣意的に用い、さらにチェックのためのマスメディアも機能させないように手を尽くすような政権の下で、上記のような制度が悪用され続けるのはそろそろ終わりにしたい。よりまともな政権の下で制度改正することが望ましい。



 執行を担当する行政機関へ、有権者が直接関与するための手法のひとつが、住民投票である。國分氏が強調するように、これは議会制度を否定したり根本から作り変えたりすることではない。それは人々が行政に直接関われるルートを、政治体制の補強パーツとして追加していくことだ。(p.150)


適切な位置づけ。代議制の代表者たちは往々にしてこうした直接民主制的な補完を嫌い、筋の通らない否定論(直接民主制は間接民主制を否定するといった類の議論)を述べることがある。一般市民もこうした問題について十分に考えていないので、こうしたレベルの低い議論を突きつけられてもあまり問題に感じないようであり、この点は、日本の社会科教育が形式的な知識ばかりを教える傾向があることの弊害であり、改善すべき課題であると思われる。

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