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アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
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「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。日々読んでいる本から気になった箇所をピックアップして自由にコメントするブログ。

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沼上幹 『組織戦略の考え方――企業経営の健全性のために』

自分自身でモノを考え、決断を下す原理を確立していないから、他社の経営者たちを見て、世間的に見て自分の所にふさわしそうな経営手法の「落としどころ」を探しているのである。(p.133)


企業の上層部が主体的に決定を下せない場合、経営改革検討委員会(プロジェクト)が増加するとして、その際の理由として述べられている箇所から引用。

判断すべきポジションにいる人間が自分で判断できない場合、周囲を見て同調するという考え方に流れがちだといことだが、これは私の身の回りでもよくみられる事態である。この方法は比較的安易に使えるので、このようなやり方ばかりに頼らないような自らの判断力を磨いていく(そのためには実行し、効果を経験しなければならない)ことが重要だろう。



 第二に、いま組織運営のボトルネックになっているのは決断のできる人なのだから、このボトルネックが生きるように細心の注意を払うべきである。どこからどこまでが各自の責任範囲なのかがあいまいな日本の組織では、少しでもできる人には大量の仕事が集中してくる傾向がある。一つの課の仕事の八割くらいを一人の人間が処理し、残りの数名があとの二割を処理しているという状況など、日本中どこに行っても見受けられる。
 忙しくて死にそうだと思っている当人には申し訳ないが、エースに重要な仕事が集中するのは組織全体にとっても適切だから、経営上の深刻な問題ではない。問題は、重要でない仕事までエースに集中してしまうという点にある。本当のボトルネックであるエースの仕事処理能力を無駄遣いしてしまうことになるから、こっちの方は経営上の深刻な問題である。(p.136-137)


エースに仕事が集中するというのはよくある。仕事を割り振る側として見ると、そこにしか任せられないというのが一つの原因となっている。そのこと自体はやむを得ない面があるとしても、重要ではない仕事はエースから切り離すようにするというのは理に適っており、参考にしたい。(ちなみに、実行部隊にエースが不在の場合、割り振る側(監督職や管理職)が自ら処理しなければならなくなり、これはこれでより高次の判断能力を浪費させるため、組織にとって損失となる。)



真実か否かを確かめることもなく、単に「信じたい気持ち」があり、欲求不満が溜まっていさえすれば、噂はあっという間にスキャンダルに仕立て上げられる。過度に欲求不満になった人々がインターネットで結びつけられた現在は、本当に恐ろしい時代である。(p.161)


本書は2003年に出た本なので、ネットの常時接続が漸く一般的になってきた頃の記述であるが、妥当な見解だと言うべきだろう。

インターネットというメディアは「大手メディアは嘘や隠蔽しか報じない」とか「ネットに真実がある」というようなナイーブな意見が跋扈しやすい環境であるということは最近ではかなり知られるようになってはいるものの、こうした認識はできるだけ広く共有されるべきであろう。さらに言えば、少なくとも日本では社会科学についての教育がまともになされていないという点も問題だと考えている。真実か否かを確かめるための手段をある程度以上の教育を受けた全ての者が身に着けている方が、信じたい気持ちが先行する状況に対して批判的な言説が力を持ちやすいと考える。

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