FC2ブログ
アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
プロフィール

ツァラトゥストラ

Author:ツァラトゥストラ
「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。日々読んでいる本から気になった箇所をピックアップして自由にコメントするブログ。

FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

丸山真男 『日本の思想』(その3)

ところが制度を判断する際には、まだ多分にその制度の現実的な働きによってテストしないで、それ自体として、いいとか悪いとかきめてしまう考え方が強く残っています。しかも現代の国際国内政治がイデオロギー闘争の性格を帯びているために、自由世界と全体主義世界とか、資本主義と社会主義とかいう分け方をあらゆる政治現象の判断に「先天的」に適用しようとする傾向が、右のような「である」思考に加乗されることになってきます。
 私は、こういう「主義」の区別が全く無意味だというのではむろんありません。しかし、良い制度から必然的に善事が、悪い制度から必然的に悪事が生み出されるという思考のパターンが固定化すると、それは認識として誤りであるばかりでなく、実際としてもはなはだ危険な結果になります。(p.167)



丸山真男の思想には随所にマックス・ウェーバーの思想の影響が見られる。こうしたプラグマティックな判断もまた、そうしたものの一つではなかろうか。私の解釈ではそのように読めた。私自身もこうした判断の仕方はウェーバーから影響を受けていると思っている。

さて、それはさておき、ここで丸山が述べているような判断の仕方は、現在の日本の政治言説でも見られるし、国際的なレベルの言説でも現に存在している。

ブッシュ政権のイラク戦争の(途中からの)口実は「イラクを民主化する」というものだった。デモクラシーという制度を導入すればイラクの人々は圧政から解放されて自由になるという論法な訳だが、これは丸山に言わせれば、典型的な「である」思想であろう。

また、自民党は、「国民投票法」なるものを今国会で成立させるつもりらしいが、これに賛成する一般人(非国会議員)の中にも、「国民が政治に参加する制度だからいい(当然)」と思っている人々がいるかもしれない。しかし、自民党の新憲法草案とセットで見れば、自民党の案では、「国民」の権利を制限する志向が明確な憲法であり、その案を成立させるための法案に賛成することは矛盾となる。

もちろん、人権に対して抑圧的な新憲法が成立し、それに伴って様々な法律が書き換えられることだけを懸念するならば、それもまたひとつの「である」思考なわけだが、実際、そうした法体系が整備された場合、政府が「国民」の自由を奪うであろうと推測することには根拠があると思われる。(その理由を述べるには、人権抑圧的な憲法の下で、現行憲法よりも人権が今よりも十分に保障されると判断する場合、相当強力な論拠がなければ説得力がないということを裏返せば十分である。)
スポンサーサイト

テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://zarathustra.blog55.fc2.com/tb.php/122-d79152ed
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)