アヴェスターにはこう書いている?
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野﨑敏郎 『ヴェーバー『職業としての学問』の研究(完全版)』(その1)

トルストイにとって、現代科学は、細分化されたなかで、現実から超然としてみずからの職分に専念しているかのようにみせかけながら、じつはひたすら権力に奉仕する洗練された御用学問であり、これに従事する科学者は、自分がそうした現状追認の役割を担わせされていることに気づかない愚か者であるか、あるいはそれに気づかないふりをしながら仕事に没頭する自己欺瞞の主なのである。(p.84)


既存の邦訳の中では、あたかもウェーバーが専門の中に閉じこもることを推奨するかのような訳になっているのに対し、ウェーバーはこうしたトルストイの問題意識を継承しているという。



 ヴィンデルバント門下の倫理学者ヘンゼルは、1898年以降、ヴェーバーのいるハイデルベルク大学哲学部に員外准教授として勤務した後、1902年にエルランゲン大学に正教授として転出した。この講演集は、ハイデルベルク時代末期の講演に加筆したもので、その論旨は、「心性倫理(Gesinnungsethik)」と題された章をはじめとして、ヴェーバーの立論と関係が深い。ヴェーバーとこの同僚との関係は、まだくわしく研究されていないようである。(p.102)


興味深い指摘。ウェーバーと彼を取り巻く同時代の人々との関係についてはいくつかの研究があるが、むしろ広く知られているほどの人ではないような同僚たちとの関係は、しばしば指摘されるニーチェやマルクスなどに劣らず彼の思想の形成に当たって重要な役割を果たした可能性は否定できない。



 呪力剥奪は、長い歴史過程において経済外的強制が崩壊し、お仕着せの価値体系が瓦解していったこと、また人間がさまざまな束縛から解放され、自由を獲得していったことを意味する。しかしこの語は、プラスの含意を指ししめすものではなく、むしろ、そうした遺制の崩壊や束縛からの解放によって、近代社会が――また近代人が――大きな矛盾と不条理性を抱えこむにいたったことをしめすための概念だということに注意する必要がある。ヴェーバーは、近現代における呪力剥奪の深化にたいして明確に批判的な立場をとり、呪力剥奪状況からの脱却をめざすのである。(p.147)


呪力剥奪とは、しばしば「呪術からの解放」などと訳されるEntzauberungのことだが、確かに野﨑が言うようにウェーバーがこの状況にたいして批判的なのであれば、しばしば使われる解放という訳はプラスの含意を強く持ちすぎていて不適当ということになりそうである。

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