アヴェスターにはこう書いている?
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橘木俊詔 『21世紀の資本主義を読み解く』

平均所得200万円以下の家庭の大学進学率は28.2%、600万~800万円未満で49.4%、1200万円超で62.8%となっています。家計所得の低い層と高い層、いわゆる年収の差によって30ポイント以上の大きな差が出ています。
 また上図を見ると、国公立大学の進学率はどの所得階層も10%前後なので、家計所得、すなわち親の年収による差がほとんどないことがわかります。(p.111-112)


親の所得が大学進学に関係することは分かっていたが、国公立大学の場合はほとんど差がないというのは興味深い。ただ、東大などへの進学者の場合、所得の影響があることが分かっている。国公立大学内での親の所得階層ごとの進学率を知りたい。



 1959年には国立大学の授業料は年間9000円、私立大学の平均では年間3万円で約3倍の差がありました。ところが10年後の1969年には国立大学が年間1万2000円に対して私立大学は平均7万6400円と、約6倍強に拡大しています。
 この事情に対して、国立大学の学生だけが優遇されすぎではないのかという不公平感が世の中に生まれてきました。また国立大学で良質の教育を受けられる学生には、それ相応の自己負担を求めるべきではないか、という見方が強まってきました。
 とくに「自己負担すべきだ」という考え方は、それまで公共財的に考えられてきた国立大学の教育に、より私的材の要素を加味もしくは転換すべきだと判断されるようになってきたということです。
 そして現在、日本の大学の平均授業料は文部科学省の調査では国立・公立とも53万円ほどとなっており、一方の私立大学は学部により大きく異なりますが、85万円ほどとなっています。

 この背景には大きな経済的な要因があります。1965年に戦後初めて赤字国債が発行されるなど、国家財政が逼迫し始め、いくつかの財政支出を抑制する政策が実施されるようになり、国家による教育費支出の抑制が進んだこともあります。
 1970年代後半から、国公立大学に通う学生にも相応の学費を求めるようになってきました。つまり、国公立大学の授業料や入学金が上昇し始めます。そして、現在は、国立と私立の格差は1.5倍から3.0倍あたりまで縮小しています。格差という面で、国立と私立の格差は縮小しましたが、学費の面で、いわば「上に合わせる」施策をとってきたため、今度は経済状況から進学できる人とできない人の格差が拡大してきたのです。
 なお、この傾向には例外があります。それは医学部です。医学部の学費における国立と私立の格差は今日、6~10倍に達しています。(p.115-116)


学費に対する考え方の変化が、経済と財政の状況に応じて生じてきたのは、教育以外の分野でも同様だろう。これに対する再度の転換が必要である。



政府は、祖父母からの教育費支援を促すために、教育に関して相続税制の緩和を打ち出しました。それは、国家挙げての高所得家族への優遇策と言えますし、教育格差を助長させそうです。(p.117)


実際に、かなりの金持ちの家庭で、この制度を使って孫に資産を移転している事例を知っているので、この指摘は非常にリアリティをもって感じられる。



 韓国や日本に特有である塾について、欧米人に説明することは困難です。このような学校外教育機関は、欧米にはほとんどないからです。(p.129)


欧米には塾がないというのは、今まであまり気にしたことがなかった。台湾にはあるように思われるが、これらの国に塾が多いのはどうしてなのか?逆に気になる。日本の場合は、明治以前からの民間の教育機関があったということもあるだろうが、明治以後、政府があまり教育に予算を割いてこなかったことなどが関係しているのではないかと思われる。

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