アヴェスターにはこう書いている?
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大阪社会保障推進協議会 『住民運動のための国保ハンドブック2012』(その2)
 2012年1月24日の「国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議」での「国保の構造的な問題点」(32頁)のひとつに「財政運営が不安定になるリスクの高い小規模保険者」と書かれています。しかし、実際には小規模自治体で国保会計の赤字のところはなく、赤字なのは、大規模自治体、そして大都市自治体だけです。(p.39)
興味深い指摘。中央政府が国保の都道府県単位化をしようとするときに言われている理由が事実と異なっていると認識しておくことは重要。


 和歌山県上富田町ではここ数年、特定健診の受診率が伸びている。必須項目に加えて町では、町医師会の意見や住民の要望を踏まえ、尿酸値や腎機能を調べる検査も受けられるようにしている(いずれも無料)。その結果、健診が始まった2008年度と2009年度の受診率は、それぞれ22.1%、23.9%と低調だったが、集団健診の回数を増やしたり、医療機関へ直接行けば受診できるようにしたりした。電話や自宅への訪問でも受診を促した。11年度からは、普段から通院している場所でも受けられるように、対応する医療機関を田辺市や白浜町にも広げた結果、受診率は10年度に38.8%、11年度は40.1%になり、県内の市町村別でもトップクラスに急激に改善した。(p.80)
今後の国保の都道府県単位化が行われる際の保険者に対する評価指標の一つとして特定健診の受診率などが使われそうな情勢だというが、工夫次第でかなり受診率が伸びることがあるというのは興味深い。医療機関に直接行けば受診できるようにしたというのは、受診券などを予め配布せずに済ませるということだろうか?重複受診の排除などはどのようにしてコントロールしているのか気になるところではある。医療機関からその都度保険者に受診者を連絡するとか?集団健診とはどのようなものなのかも気になる。


 国保は公的な医療保障制度であり、病気や怪我のときに使えなければ制度の意味はありません。保険料を払っていようがいまいが、加入していようがいまいが、病気や怪我の人が目の前にいるときには、自治体は保険証を発行しなければならないのです。(p.90)
基本的人権のようなものを考えれば確かに本書の言うことは理に適っているのだが、制度としては「措置」ではなく「保険」制度になっている問題と、まっとうに保険料を払ってきた人と意図的に保険料を払っていない人がいたとして、これらの人が同じ扱いを受けられるとしたら、そこでの公平性はどうなるのか?という問題は残る。本書のような主張を思う存分行うためには、保険ではなく措置にするよう求めるべきだというのが私の見解である。保険である以上は、保険料を払わない場合は多少の不都合があるのもやむを得ないと認める合意が成立しているということではないのか。(なお、払えない場合は減免制度がある。)

7割の保険給付がなかったとしても、10割負担で医療費を払えば医療を受けられるのだから医療へのアクセスが完全に断たれたわけではないということも考慮すべきではないか。むろん、このような考え方は酷だという意見はあり得るだろう。ただ、保険料の支払いを回避し続けてきたような人が、都合が悪くなった時(医療が必要になった時)だけメリットを享受できるような制度が公正だとは私には思えない。一時的な医療の給付を行うのだとすれば、例えば、それ以後の保険料を一般的な保険料よりも重課し続けるなどのペナルティが必要ではないか。(もちろん、加算分は減免制度でも原則として減免されるべきではない。)

保険であることからこうした結論が導かれるのであり、私がより理想的だと考えるのは医療給付を税で賄うやり方であり、もちろん、そのために必要なだけの税を集めるべきだ(さらに言えば、政府全体として予算の全額を税で賄うべきであり、一般会計で言えば税収は50兆円前後ではなく90兆円以上必要だ)と考える。


 条例減免制度は市町村国保であるからこそできるもので、広域化されれば必ず今あるものがなくなります。(p.104)
確かに。都道府県単位化によりこうしたデメリットが生じることは十分にあり得る。




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