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アヴェスターにはこう書いている?
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安藤英治 『マックス・ウェーバー研究――エートス問題としての方法論研究――』

 マリアンネ夫人は、戦争体験がウェーバーの社会学上の重要な諸概念に入り込んで、それに新しい観察材料を提供したといっており、(Lebensbild, S.588)多面的に分析・紹介している。
 ・・・(中略)・・・
 とりわけ注目すべきことは、予言者の理解に関して夫人の述べているところである(ibid., S.638-639)。1916年秋から書き始められた『古代ユダヤ教』に描かれた予言者のタイプ、即ち、歴史的に確証されうる最初の政治的デマゴーグであり、また最初の政治的評論家でもある予言者――イスラエルのこの一連の予言者は、大国が祖国を脅かし、祖国の命運が焦眉の急を告げる時に、つねに立ち現れたことをウェーバーは指摘したが、夫人は、こういう予言者のタイプというものはこの論文以前にはウェーバーになかったということ、それは完全に戦争体験を媒介しているものであるということを明言している。(p.210-211、下線は本文では傍点になっている箇所)



ウェーバーの概念構成の展開過程と戦争体験の影響というテーマは私はこれまであまり注目してこなかった。こうした観点も踏まえて現在編纂されている『経済と社会』の再構成の問題を見てみると面白いかもしれない。




『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』はこういう時代精神に対して市民ウェーバーの“英雄倫理”が対決するという問題意識の所産であったと私は考える。(p.221-222)



引用中「そういう時代精神」というのはマス化(大衆化)という状況のことだが、このようには言えないだろうと私は考える。

世俗内的禁欲という行動的禁欲の倫理に対して、プロ倫はそこまで皇帝的な評価はしていないと私は見る。恐らく、近年のウェーバー研究の動向とこれは一致する方向であろうと思う。これに対し、本書は1965年に出ており、50年代~60年代の論文を集めた論文集であり、この時代のウェーバー観がよく出ている。

かつての研究におけるウェーバー像はウェーバーを理想化した人物像として描き出す傾向が強かった。彼の決断や禁欲などを重視し、ある意味、実存主義的な人間像としてウェーバーは描かれた。確かにそうした一面はあるということは私も認めることができるし、そうした点にウェーバーという人物の魅力があることもまた認めることはできる。

しかし、安藤の考えは、ややこの理想化された像を、テクスト解釈の中にも持ち込みすぎている感が強いのは大きな難点である。

資本主義の精神は、倒錯した感覚として描かれているし、不安に捉えられたものとして捉えられてもいるというところを考慮に入れる必要があるし、この精神が経営者や資本家だけでなく労働者一般にまで見られる点に特色があるとされているのだから、大衆化された精神であると見られていた面もあるのではないか?確か、この精神はウェーバーにおいても倫理的達人にしか到達できない達人倫理として考えられてはいないはずである(文献をあたるのは面倒なので割愛)。




厳密な日付は覚えていないが、昭和18年の5月頃だったと思う。田町駅前の「森永」で、いつもの如く仲間と論戦を闘わせていると、ウェイトレスがやって来て、そういう話は止めてくれと言い出した。私は反論した。「冗談じゃない。ゴットルってのはナチの御用学者なんだよ。」ウェイトレスは答えた。「誰だか知りませんが、そういう話をすると警察がうるさいですから止めて下さい。」(p.466)



これは本書の「あとがき」における著者の体験談である。

昭和18年だから「治安維持法」がまだあった頃のことである。(大正14年から昭和20年まで。)「共謀罪」の創設を与党が狙っている今日、かつてはどのような状態だったのか、よく知り、学ぶ必要がある
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