FC2ブログ
アヴェスターにはこう書いている?
本を読んでいて気になったことなどを徒然なるままにメモしておくブログ。書評というより「読書メモ」。
プロフィール

ツァラトゥストラ

Author:ツァラトゥストラ
「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。日々読んでいる本から気になった箇所をピックアップして自由にコメントするブログ。

FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

森健 『グーグル・アマゾン化する社会』

ランダム・ネットワークでは、別の経路との結節点が、平均的な数として出現する。高速道路で言えば、二くらいがその数となろう。
 一方、スケールフリーとは、その接続規模(スケール)に制約がない(フリー)ことを指す。(p.161)



接続規模、つまりアクセス可能性が無制約的であるということは、無限にアクセス可能であるということ。こうしたシステムにおいては、あるアクターが他より少しでも優位に立てれば、そのアクターがそれ以外のアクターを排除して「一人勝ち」できる。本書が指摘することの一つはこのことである。

アマゾンやグーグルが一人勝ちしているのも、ネットの世界がこうしたシステムであるからに他ならない。

こうしたアーキテクチャーの一極集中化が、人々のものの考え方などにも影響を与えていることを本書の著者は指摘する。

 だが、SNSのようなパーソナライゼーションの進んだサイトには、大きな欠陥が隠されている。それは見知らぬものとの出会い――偶然性による情報や人の発見が、大幅に減るということだ。(p.210-211)



 そうした点に懸念を覚えるのは、もともとネットワーク上では、考えが異なる別の集団の意見を排除し、同じ集団内で考えが極端に偏るという傾向が指摘されているためだ。
 一例をあげれば、現在、急速に日本で広がりつつあるように見える「ぷちナショナリズム」的な現象もそうだろう。こうした振る舞いは「集団分極化」という現象で、数十カ国で確認されている。
 要は、SNSにおけるようなパーソナライゼーションが進むことで、集団分極化が広がった場合、情報はその特定の集団の中だけで流通する可能性があるのだ。(p.212-213)



ここで「ぷちナショナリズム」と香山リカの書名にある用語を使うことで、ソフトな言い方をしているが、いわゆる「ネットウヨ」と呼ばれる者が増えていることについての言及である。森氏は、この要因として、インターネットというメディア自体がもつ特性、つまり、同じ集団内でのみ特定の情報が流通することで、極端な考え方が特定の集団内で形成される可能性がある、という特性が挙げられているわけだ。

なかなか説得力があると私には思えた。

同時に、私自身も小泉や安倍に反対するブログ運動に賛同しているわけだが、そうした運動も右翼的ではないとはいえ、同じものであるという点には配慮する必要があると感じてはいる。

私は、いつもこうしたものに加入するときにしばらくためらうのだが、私の場合は、書くべき記事の内容やテーマが社会的に拘束されがちになることへの懸念が一つある。政治ブログのグループに入ると、政治ネタとは全く関係のない話はだんだん書きにくくなるのだ。(まぁ、私の場合、ブログの話題を政治ネタに限定しようと思った時点からそうしたものにコミットすることにしたので、それほど不自由はないのだが、たまに別のことを書きたいときなどは少し書きにくいと思うことがある。)

ただ、こうしたグループに参加することにはメリットもある。一人でいたら得られない情報が得られることなどがそれだ。もちろん、参加せずに見ることもできるのだが、自分自身も入っているかどうかによって、関心の高さが違ってくるからだ。グループに入ればグループ内のブログがどのようなことに関心を持っているかについての関心が高まる。それに立ち位置がハッキリするのでTBなどもお互いにしやすくもなる。これは特定の情報だけが流通するというデメリット=危険性をも秘めているというのが、本書の指摘なのだが、同時にメリットもあるわけで、そこがどのように解消すべきか難しいところなのだ。


私の場合、政治ブログ(ツァラトゥストラはこう言っている?)は「政治ブログ」としてテーマを絞り、読書ブログ(このブログ)は「読書に関連することのメモ」として活用しつつ、さらにその他の自分の関心があるテーマでは別々にブログを管理している。

(それらは政治ブログから/への波及を避けるためにリンクしていない。匿名性をより高めるためでもある。政治などの「パブリックマター」はハンドル名は使いつつも、私を知る人には私が誰であるかわかるように公開し、そうではない「プライベートマター」(?)の方の匿名性を高めているのは、バランスとしては良いことだと思われる。匿名でパブリックマターを語る方が危険であることが本書でも指摘されているから。)


本書についての評価をするならば、現代社会にひそんでいる問題点を鋭く突いているということは確かであり、有益な本であることは間違いない。
スポンサーサイト

テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://zarathustra.blog55.fc2.com/tb.php/105-3fb1e4d7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)