アヴェスターにはこう書いている?
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光瀬憲子 『台湾縦断! 人情食堂と美景の旅』

 路地裏に裁縫用品店が多いのは、1950年代、鹽埕の全盛期のなごりだ。
 19世紀初頭の日本統治時代は塩田ができて栄え、太平洋戦争が始まると日本軍の重要な物資輸送港となった。終戦後の1950年、鹽埕の港は「3号埠頭」としてその名を全国にとどろかせることになる。あらゆる物資や品物がこの3号埠頭に集まり、鹽埕は南部最大の繁華街となった。
 金物なら新興街(シンシンジエ)、腕時計なら大勇路(ダーヨンジエ)、革靴やメガネなら五福四路(ウーフースールー)、といった具合に専門店通りがたくさんできた。そして、鹽埕街は「レディースファッション通り」だった。この近くに店を構えたのが正美であり、となりのアーケードには生地やボタンの専門店が立ち並んだ。オーダーメイドの服をつくろうと、大勢の女性たちが押しかけたのだろう。高雄で初めて5階建ての百貨店ができたのも鹽埕だった。「高雄に鹽埕あり」「鹽埕こそ高雄」といわれた時代だ。(p.123)


こういった都市の歴史の展開は非常に興味深い。鹽埕に行ったときにこうしたことを知っていたら、もっと興味深く散策できただろう。



 堀江商場は、鹽埕の全盛期である1950年代には舶来品を扱う店が軒を連ねていた。(p.126)


これは戦後に鹽埕が栄えた理由(以下に引用する部分)と関係がある。



 鹽埕の街が栄えたもう一つの理由、そして最大の理由はアメリカ軍だ。アメリカ兵を語らずにして、鹽埕は語れない。
 鹽埕には七賢三路(チーシェンサンルー)という大通りがある。現在の高雄港漁人碼頭(ユーレンマートウ)からまっすぐに北に向かって延びる片側二車線の目抜き通り。この広い通りを港方面に歩いていくと、はるか向こうに大きなゲートがそびえていて、道路沿いにはレストランやオフィスビルが立ち並んでいる。1960年代、ここは「酒吧街(ジョウバージエ)」(バーストリート)と呼ばれた。高雄、いや台湾南部でいちばんのにぎわいを見せた第3埠頭には海軍の第7艦隊が停泊し、バーストリートにはアメリカ海軍兵があふれていたのだ。
 第二次世界大戦が終結し、1950年代に入ると朝鮮戦争が、そして1960年代にはベトナム戦争が勃発した。台湾はといえば、中国内戦から逃れた蒋介石率いる国民党やその軍隊が台湾に入り、「光復」を宣言したのが1945年のことだ。
 中国大陸と台湾とのあいだの緊迫は続いており、アメリカは台湾が共産党勢力に占拠されることを恐れた。このため、1954年に台湾とのあいだで「米華相互防衛条約」を締結。アメリカは台湾南部に第7艦隊を停泊させ、台湾を防衛する代わりに鹽埕の第3埠頭を通して物資の補給を行った。1970年代後半にアメリカと台湾が断交するまでこの関係は続き、鹽埕は20年あまりにわたる全盛期を手に入れた。(p.127-128)


冷戦がもたらした鹽埕の繁栄。

七賢三路は、言われてみれば当時の雰囲気が何となく残っている。外国風のレストランがこの界隈に現在でも多かったように思うが、これも歴史的な繋がりによるのだろう。



 特にベトナム戦争中だった1960年代、米軍は高雄を物資補給の港として利用したほか、兵隊を休暇に立ち寄らせていた第3埠頭に船が着くと、そこから降り立つアメリカ兵たちは七賢三路の北にあるアメリカンクラブに向かう。港からクラブまで続く七賢三路沿いにはバーやレストランなどが立ち並び、彼らはここでビールを飲んだり、サンドイッチをつまんだりしながら一息つくというわけだ。(p.130)


なるほど。



 高度成長期の台湾で、鹽埕はたしかに米軍の駐在を受けて大いに栄えた。でも、なぜ秩序が守られていたかといえば、休暇だったため気持ちが穏やかだった、という理由のほかに、アメリカ兵の活動エリアと地元の人たちのクラスエリアがはっきり分かれていたという点があるようだ。(p.132)


参考にしうる。


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