アヴェスターにはこう書いている?
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川渕孝一 『国民皆保険はまだ救える 崩れ去る「公助」「共助」から「自衛」の時代へ』

 一彦氏の例を持ち出すまでもなく、最近、日本の病院は“お金儲け”に執着しすぎではないだろうか。それもそのはず。総務省が地方自治体に公立病院の再編計画の策定を求めているからだ。
 それにしても、総務省が2007年12月21日に公表した公立病院改革ガイドラインには全く哲学がない。同ガイドラインでは、公立病院を持つ自治体は08年度中に①経営効率化、②再編・ネットワーク化、③経営形態の見直し――この三つから改革プランを策定することになった。(p.57)


なるほど。私の住む地域でもここ数年、公立病院の統合などが市政の重要な課題となっていたが、市が独自にやり出したというよりは中央政府からの指示があって始まったことだったのかもしれない。必要性があるのは確かだが、ある意味では十分な合理性がないのに唐突に出て来た感があり、議論になったのはこうした背景があったからかもしれない。



通常「Disease Management(疾病予防)」というと、諸外国では二次予防(早期発見・早期治療)や三次予防(医学的介入による機能低下の防止)が中心テーマとなるが、わが国の疾病予防は生活習慣に関する行動変容という一次予防が対象となる。まさに世界でも稀有な“壮大な実験”がスタートしたわけだ。
 しかし、導入当初の混乱もあって、どの保険者も予想外に低い受診率に甘んじている。はたして国が考えたような医療費適正化効果が期待できるのだろうか。三年後には、その成否によって各保険者の後期高齢者への支援金の加減算が決定されるだけに事は重大だ。
 くしくも、海を越えた米国でも同種の社会実験が行われている。米国連邦議会で制定されたMedicare Coordinated Care Demonstration(MCCD)である。……(中略)……。
 肝心の研究結果だが、直近の25カ月間についてメディケアの医療費を総じてみると、どのプログラムも月ごとの医療費削減効果はなかったという。(p.103-104)


特定健診もアメリカの猿真似だったのか。しかも期待していた効果も得られないようなものだとは…。こういうアメリカの猿真似政策はいい加減にしてほしいものだ。



 日本の未成年者の喫煙率が高いのは、諸外国に比べてわが国の広告規制が極めて緩やかなことも関係している。実際、タバコの広告収入が広告代理店やマスコミの重要な収入源となっている。先行研究によれば、102カ国の高所得国では、タバコ広告の禁止により消費が減少することが明らかにされた。(p.171-172)


タバコの広告は禁止してほしい。



 そこで、「セカンドベスト」の介入としてタバコへの課税が有効とされる。特に大幅なタバコ増税は子どもの喫煙開始を妨げる非常に有効な手段であることが明らかになっている。(p.177)


タバコ増税は望ましい。



 すなわち、タバコ増税は、一部の消費者には「値上げ→コスト高→健康のために減煙」という抑制効果を生むが、多くの消費者には値上げに関係なく、「値上げ→政府の税収増」という現象が起こるのである。であれば、「財務省への気がね」は無用である。(p.179)


やはりタバコ増税は望ましい。



 トヨタ方式の生みの親、故・大野耐一氏によれば「『なぜ』と五回繰り返せ。そうれば原因ではなく真因が見えてくる」という。同氏によれば、「カイゼン」の基本的な考え方は次の四つだ。
①自分の工程で不良品を出すな。後工程が迷惑する。
問題があるかないかは、正常な(標準)状態がきちんと決まっていなくては見えてこない。だからカイゼンするためには標準化、つまり基準を作ることが不可欠。
③まず自分の手で標準作業書を書いてみよ。カイゼンをするためには、まず標準を決める。改善レベルが進むと標準のレベルを上げる。すると問題点が再び出てくる。
④カイゼンは少しずつ前進し継続される。(p.220)


有名な「カイゼン」だが、標準化の重要性というのはなるほどと思わされる。



 幸い、高齢者数の急激な伸びはあと5年で終わる。確かに高齢化率は今後も上がり続けるが、1947~49年生まれのいわゆる団塊の世代が65歳を超える2015年以降、高齢者数の伸びが緩やかになり、20年頃には頭打ちになる。つまり、2012~14年にかけての3年間が高齢化の最も急速に進む時期であり、その時期を過ぎると高齢者数の伸びが止まるのだ。さらに団塊の世代全員が75歳を超える25年以降、後期高齢者数の急激な伸びも止まり、30年以降は減少に転じる。だとすればそこまでが日本にとっての正念場だ。壊れやすい地球のような国民皆保険制度を、何とか救いたいものである。(p.276)


本書は2011年に出版されたので、現在は高齢者数の伸びが緩やかになる局面に入っている頃ということになる。2030年以降は社会の構成が問題なくなるかのように書かれているが、団塊の世代の多くが亡くなるであろう2035年頃には団塊ジュニア世代が60代になってくる。それより下の世代の数の少なさを考えると、2055年くらいまではそれほど楽な時代とは言えないかもしれない。

人口構成は社会の変動を考える上で非常に重要なので、きちんとデータを見ながら考えてみたい。

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