アヴェスターにはこう書いている?
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真野俊樹 『「命の値段」はいくらなのか?――“国民皆保険”崩壊で変わる医療』

 たとえば、「分子」が数式で説明できる動きをするがごとく、人間にも数式で説明できる動きをしてほしい、これが合理的経済学のものの見方である。数式で説明できる合理的な行動をする人間を仮定することで、政策が考えやすくなるのである。(p.29)


上記の説明のうち、合理的経済学が人間を数式の通りに動いて「欲しい」と要求している点は重要である。合理的経済学はいくつかの仮定を置いて数式を立てていくが、多くの場合、どこかの段階でこの数式が「正しい(あるべき)」社会の動き方であるかのように扱われはじめる。この経済学における数式の規範的性格に対しては語る側の人間も聞く側の人間も注意深くなければならない



 もう一度確認してみると、行動経済学は医療や健康問題に対する、我々の必ずしも合理的ではない行動を分析するのに適している。しかし一方では、行動経済学の手法では、なかなか政策に適用できない。ここが、政策を考える場合にはジレンマになる。(p.98)


本書の基本的な立場の重要な部分。政策というものを大風呂敷的に広げるものと考えれば、合理的経済学のような規範性は必要と感じるかもしれないが、細部から組み立てていくものと考えれば行動経済学の知見は十分に活かしうると思う。



 大阪大学の池田新介教授によれば、時間選好率が高い人(最初に楽しいことをしてしまう人)ほど子供のころに夏休みの宿題を後回しにしていたり、負債を保有していたり、喫煙者、肥満者が多いという。また時間選好率が高いと借金が多いといことになる。(p.107)


マシュマロテストの結果と通じている。ちなみに、私個人は時間選好率は高くないようだ。



マズローの5段階のピラミッドはよく知られている(図)。この最上位に自己実現要求があるのであるが、最近の研究(野中郁次郎、紺野登『知識創造経営のプリンシプル――賢慮資本主義の実践論』)では自己実現のさらに上位に、論理的で利他的な「コミュニティ(共同体)発展欲求」をマズローが考えていたとも言われるようになった。(p.144)


なるほど。単なる自己実現より共同体の発展の方が高次の目的だと考えることができるという発想が、この説(上記最近の研究)の背景にあるように思われる。

ただ、マズローの欲求段階説は実証されていないアイディアにすぎない点は認識しておく必要がある。仮にマズローがコミュニティ発展欲求という発想を持っていたとしても、そもそもそれ以前の段階が段階的に満たされて発現していくというプロセス自体が実証されていないのである。

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