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アヴェスターにはこう書いている?
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俵義文 他 『安倍晋三の本性』

 安倍の改憲必要論の第一は、使い古された「押しつけ憲法論」である。安倍は、なぜGHQが憲法草案を書かなければならなかったかについては語ろうとしていないGHQは当初日本政府に新憲法案の作成を命じたが、日本政府が提出した草案は、大日本帝国憲法の焼き直しに過ぎず、当時、民間の憲法学者などが作成した現憲法に近い内容は完全に無視されていた。そこには、侵略戦争の反省はなく、日本が受諾したポツダム宣言の精神を活かした、主権在民、基本的人権の尊重などは盛り込まれていなかった。そのためにやむなくGHQは自ら憲法草案を作成したのである。(p.11)



現在の自民党の新憲法案も、こうした戦争への反省を後退させ、基本的人権に制限をかけようとするものである。自分たちで決めれば、それですべて良いとでも思っているのだろうか?(もしそのように言うならば、それらの人々は北朝鮮の金正日体制を転換すべきだとか、中国の一党独裁などに文句を言うべきではない、ということになる。)

引用文の文脈とは離れるが、私見では、改憲論者は改憲する目的を明示し、「具体的に」何のために法律を変えるべきなのか言うべきであり、さらに「具体的に」どのような手段でその目的を実現しようとするのかを明示した上で「改憲」を訴えなければならない。

その上で、まず、その目的の妥当性を問い、目的が妥当であると認められたならば、通常制度改正ではその目的の達成が不可能であることを示すことが必要であり、また、憲法を改正した後に採用した手段がどれほど有望なものであるかを示すことである。

これらのことをを示さずに、あるいは前面に出さずに、憲法を「変えること」ばかりを強調するのはおかしくはないか?

安倍晋三は、憲法を「変えること」を目標に掲げているが、それによって何をしようとしているのが「具体的な」説明が必要である。

まぁ、教育基本法についても必要性を説明できず、ホワイトカラー・エグゼンプションにも「少子化のため」などとピントはずれの説明しかできず、また、閣僚の不祥事も説明できないような政治家に、そんな説明を求めても無理だろうけれども。




 「日本会議議連」は、「歴史・教育・家庭問題」、「防衛・外交・領土問題」、「憲法・皇室・靖国問題」の三つのプロジェクトを設けて日本会議と協議し、その要求・政策を国政に持ち込む活動をしている。いまでは、右翼組織の政策・要求が議連を通じて国策になっていくという恐ろしい構図ができあがっている安倍は、この「防衛・外交・領土問題」の座長として活動し、05年7月現在の資料では、副幹事長の要職にある。(p.69-70)



安倍内閣というのは、右翼組織に政府が乗っ取られたようなものだということである。実際、安倍内閣の要職につくもののほとんどが右翼系の政治団体や組織に所属している。このことを一般の有権者はもっと知ってよいだろう。




安倍晋三新総裁の資金力は、2005年度で総額約3億8千万円。政界では十位以内です。それでも当選五回の若手議員としては、異例の集金力です。(p.71)



この本は安倍の極右人脈についていろいろ書かれていて、その点が一番参考になるのだが、この叙述も私としては気になった部分。

右翼系の組織で要職を歴任してきたことが安倍が担ぎ出されるための基盤ではあったにせよ、この集金力はどこから来るのか?それについては明示されていない。ここの切り崩しは重要ではなかろうか。




 安倍内閣にはブレーキ役がいない。ブレーキなしで右に暴走する内閣である。
 自民党議員の五割以上が「日本会議議連」に所属しているのであるから、自民党そのものが日本会議に乗っ取られつつあるといえなくはない。「日本会議議連」は97年5月の発足時には189名だったのが、いまや235名(06年7月現在)にもなっている。こうした状況が安倍を総裁にまで押し上げる力になったことは容易に想像できる。
 安倍内閣は、教育基本法を改悪し、憲法改悪を推し進め、防衛庁を「省」に昇格させて自衛隊を米軍と融合・一体化させ、集団的自衛権を行使して自衛隊がアメリカの先制攻撃戦争(侵略戦争)にいつでもどこでも参加する「戦争をする国」に日本を変える内閣である。
 そして、戦争に反対する個人や組織を弾圧するために共謀罪などを制定し、アメリカのCIAのようなスパイ組織を設置し、国民を政府の監視下に置く、自由・平和・人権・民主主義に敵対する内閣である。(p.90-91)



有権者としては、こうしたものを放置しておくわけにはいかないだろう。




国連子どもの権利委員会は1998年、日本は「高度に競争的な教育制度のストレス」で「児童が発達障害にさらされている」と改善を勧告した。日本政府・文部省(文科省)はその勧告を無視しつづけているため、国連子どもの権利委員会は、2004年、「十分なフォローアップ(手だて)が行われなかった」と批判して、早急に改善するよう再度勧告している。安倍政権がめざす「教育改革」は、この国連勧告に背を向け、教育をこれまで以上の競争原理下におくものであり、「改革」ではなく「教育破壊」である。(p.98)



教育にとって競争的な環境が望ましくないということは、先日の『無気力の心理学』についての紹介で述べた。

安倍内閣・日本政府は、国連常任理事国になることを目指しているらしいが、国連の勧告さえ守らないような政府に、そんな資格があるとは私には思えない。国際的に見ても日本政府の人権に対する取り組みは非常に低水準である。国内についても国外についても、それは言える。そのことが国内向けの報道では決して言われない。このような報道の統制は大問題だと思う。
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